EVER GREEN

後書きならぬ座談会その9

マリーナ「ここに来るのも久しぶりだねぇ(紅茶を飲みながら)」
リズ  「ホント。さらに四ヶ月近くたってるよね(同じく紅茶を飲みながら)」
カリン 「いいんでしょうか。僕達がこんなところにいて。しかも四ヶ月前と全く変わらない状況ですが」
リズ  「いいんじゃない? 進行できるのってわたし達くらいしかいないし」
ショウ 「…………」
マリーナ「どうしたんだい?」
ショウ 「いや……」
リズ  「ショウくんとシーナさんのぶんも入れるね」
まりい 「ありがとう」
ショウ 「……これも二回目だな」
まりい 「うん。懐かしいよね」
ショウ 「…………(盛大なため息)」
カリン 「あの。いい加減、話を進めたほうがいいんじゃないでしょうか(おそるおそる)?」
リズ  「ようやく出番がまわってくることについて?」
カリン 「いえ、そうじゃなくて」
マリーナ「じゃあこの数日間、霧海(ムカイ)で何が行われていたかについて?」
カリン 「それも確かに気になりますが」
リズ  「はいはい。ノボルくんのことでしょ?」
カリン 「そうです」
リズ  「なるようにしかならないんじゃないのかな?」
マリーナ「そうそう。自分のことは自分でなんとかしなって」
ショウ 「…………(絶句)」
カリン 「気にしないでください。あの人達なりのはげましかたなんです」
ショウ 「……それは、フォローしてるつもりか?」
カリン 「……おそらく」
ショウ 「…………(遠くに視線を向け、盛大にため息。ついでに大きく十字をきってみたりする)」
まりい 「ショウ、大丈夫(心配そうに)?」
ショウ 「俺、主人公じゃなくてよかった(しみじみ)」
諸羽  「確かにそうかも。主人公ってろくな目に遭ってないし」
ショウ 「…………」←第一部で主要メンバーだった人
カリン 「ええと、じゃあ次の話でもしましょうか(場をもりあげようと必死)」
マリーナ「次の話というと、ようやく出番がきたってことかい?」
カリン 「はい。そうで……そうなんですか?」
リズ  「知らないで言ってたの?」
カリン 「ええ、まあ」
リズ  「六章分のご無沙汰だもん。しっかり活躍しなくちゃ」
マリーナ「調子に乗らない! と言いたいところだけど、今回は本当にあんたの出番になりそうだからね」
リズ  「でしょ? みんな待っててね!」
カリン 「……どこに向かって言ってるんでしょうか」
諸羽  「今気づいたことなんだけど」
まりい 「諸羽ちゃん?」
諸羽  「ここの作者が書く男キャラって、大なり小なり不幸もしくは苦労人だよね」
カリン 「そんなはず……(ちらっと隣を見て)!」
ショウ 「…………(否定したいができない要因がありすぎる十六歳)」
カリン 「お願いします。否定してください(涙)」
ショウ 「俺だって否定できるなら……」
まりい 「違うよリズさん。『作者の書くファンタジーの男性キャラが不幸もしくは苦労人なだけ』なんだって」
二人 『…………』
リズ  「作者にそう言えって言われたの?」
まりい 「うん」
二人 『…………』
諸羽 「まりいちゃんも、言うようになったんだねぇ」
まりい「そう(きょとんと)? あと『昇くんの不幸の原因もわかります』だって(メモを見ながら)」
諸羽 「大沢って天然の不幸じゃなかったんだ」
リズ 「よかったね。昇くん」
ショウ 「ノボルに比べれば……俺ってましな方なのかもな(遠くを見て)」
カリン 「ノボルさん……(ほろり)」
リズ  「そういえば今更だけど、君、誰?」
諸羽 「ボクは諸羽。詳しいことは次章までの秘密」
リズ  「わかった。じゃあ次章『真実(ほんとうのこと)』までごきげんよう。またねっ!」
諸羽 「ああっ! それボクのセリフ!」

みんながいなくなった後
まりい 「…………」
ショウ 「お前が悩んでても仕方ないだろ」
まりい 「うん。……がんばって。昇くん。シェリア」

2006年8月4日 某所にて

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