アルベルト「この場所も久しぶりですね」
シェリア 「ほんと。今まではそれどころじゃなかったものね」
リズ 「なにはともあれよかったね。みんな無事で」
まりい 「これもリズさん達のおかげ。本当にありがとう」
カリン 「そんなことありませんよ。シーナさん達の協力があったからこそです」
シェリア 「ほんと。ありがとう、シーナ」
まりい 「私こそありがとう。シェリア」
諸羽 「――だって。君は何か言うことないの? 雑用係さん」
昇 「ナニモゴザイマセン(お茶を入れながら)」
マリーナ 「ここ。お茶が入ってないみたいだけどー?」
昇 「タダイマオモチシマス」
ショウ 「……あれ、主人公だよな(昇の方を見て)?」
諸羽 「うん」
ショウ 「……ところせましと支給と雑用に追われてるようだけど、主人公なんだよな?」
シェーラ 「いつものことだろう。気にするな」
カリン 「普段の彼の日常がうかがえますね(涙)」
シェリア 「いいのよ。引きこもったあげくに人のていそ――(とたんに口塞がれる)」
まりい 「テイソ?」
昇 「悪いけど、あっちのケーキ持ってきてくれる? 大至急で(公女様の口塞ぎながら。めっちゃいい笑顔で)」
まりい 「う、うん」
まりい、しぶしぶ場を退場する。
お姉さまが視界から消えた後。
昇 「危なかった……(手を離して額の汗をぬぐう)」
アルベルト「まるで浮気の証拠物件を必死に隠す、駄目夫のようですね」
昇 「るせーーーっ! なんで俺はこんななのに、アンタは今までとこれっぽっちも変わってねーんだよ!!」
諸羽 「そこはほら、師匠さんだから?」
アルベルト「そういうことです(優雅にお茶を飲みながら)」
昇 「いいのか!? それで全てがまかり通るもんなのか!?」
マリーナ 「まかり通ってるならいいんじゃないのかい?」
リズ 「そうそう。アルだし」
アルベルト「そういうことです(爽やかに)。だから、全面的にあなたが悪い」
昇 「違うだろ。絶対違うだろ」
シェリア 「じゃあ、アタシのことはどう説明するのかしら(優雅な笑みで)」
昇 「スミマセン。ワタシガワルウゴザイマシタ」
シェリア 「わかればいいのよ」
アルベルト「腕をあげましたね。さすが私の妹です」
シェリア 「だてに妹を語ってませんから」
昇 「俺、なんでこんなに立場弱いんだろう(涙)」
諸羽 「話をもどすけど、今回は本当にネタばらしだったよね」
アルベルト「元々、それが今回のテーマでしたから」
リズ 「むしろ、ここでばらさなくていつばらせって感じよね」
諸羽 「ばらしてるようで、微妙に色々なものの伏線っぽいよね」
アルベルト「もっとも、この作品では全く生かされませんけどね」
シェリア 「アタシは驚いたわ。アルベルトも人だったのね」
アルベルト「初めから言っていたでしょう? ごくごく普通の神官だと」
昇 「ウソだ。絶対ウソだ」
アルベルト「それを言うなら、あなたこそどうなんです」
諸羽 「どう見てもごくごく普通の高校生じゃないっしょ」
昇 「どうして否定できないんだろう、俺(遠い目をして)」
アルベルト「誰だって完璧ではないんですよ。一つくらい弱みがあったほうが人として面白みがあるというものです」
リズ 「本当の意味での過去編は、いずれどこかで公表するみたい。気にしないで待っててね」
アルベルト「あの時は私も若かったですからね。多目に見てあげてください」
ショウ 「お前も、今回はがんばったよな」
昇 「へ? あ、まあ……」
リズ 「ノボルくん、照れてる?」
昇 「いーだろ別に」
リズ 「でも、冗談ぬきで本当にがんばったと思うよ。シェリアさんもだけど」
シェリア 「アタシ?」
諸羽 「そうそう。愛ってすごいよね。普通あそこまでできないよ」
二人 『は!?』
リズ 「いいなー。わたしもそんな恋愛してみたい!」
シェリア 「…………(赤面)!!」
諸羽 「でもさ。大沢ってなんだかんだ言って、やることしっかりやってるよね」
昇 「なっ(赤面)!?」
シェーラ 「告白してフラれたな」
セイル 「その後、キスして押し倒して?」
昇 「なんでお前がここにいる!」
諸羽 「後書きだから無礼講なんだって」
セイル 「そうそう。それにしても、ぼくが止めなかったら危うく十八禁になるところだったね♪」
二人 『…………』
セイル 「残念だったね。昇(爽やかな笑みで肩をぽんと)」
昇 「るせーーーーーーっ!!!!」
リズ 「シェリアさんも覚えといたほうがいいよ。なんだかんだ言って、男は狼なんだから」
シェリア 「…………(赤面したままうなずく)」
昇 「そこでうなずかないでください。お願いだから」
リズ 「違うの(大真面目に)?」
昇 「…………」
シェーラ 「そこまでにしておいてやれ(同情の眼差し)」
リズ 「じゃあ、もう一つの真面目な話。物語はいよいよ大詰めね」
ショウ 「長かった旅が、ようやく終わるんだな」
シェリア 「本当。長かったわね」
諸羽 「連載はじめて四年たってるし。リアルタイムだとまだ一年もたってないし」
昇 「……前から思ってたけど、なんでそんな裏事情知ってんだ?」
諸羽 「ご先祖様のコネってことで♪」
昇 「(うさんくさいなと思いつつ)とにかく! ここまできたら、やることは全力でやるしかないって」
アルベルト「おや、あなたにしては的を射たことを言いますね」
昇 「当然!」
諸羽 「じゃあきれいにまとまったところで、そろそろ恒例のやろっか」
昇 「……は?」
諸羽 「だから、やること。師匠さん、今回のネタは?」
アルベルト「準備はしていたんですが、さすがに今回は分が悪いので(苦笑して)」
カリン 「よかったですね。ノボルさん」
昇 「よくねーーーー! そもそも、これ自体、恒例行事にされてたまるか!!」
アルベルト「ですから、今回は妹にお願いします」
シェリア 「……アタシ!?」
アルベルト「あなた方がよければの話ですけどね」
マリーナ 「だってさ。どうする? アンタ達」
昇 「…………(考えに考えて)。そりゃ、それで収まるなら」
シェリア 「……いいの?」
昇 「まあ、俺も悪かったし(うなずいて目をつぶる)」
シェリア 「……じゃあ」
ガッ。
間。
沈黙。
アルベルト「腕をあげましたね。さすが私の妹です」
シェリア 「だてに妹を語ってませんから」
カリン 「さっきも同じ台詞使ってませんでしたか(汗)?」
リズ 「補足説明すると、今回は『めりけんさっく』」
諸羽 「もっと補足説明すると、五本の指に五つの指輪。とがってるうえに、ぐーで殴ったよね」
アルベルト「やんきーの闘争に使われるそうです。『それよりも、指に堅くてシンプルなものをつけて殴ったほうが威力があるのでは』とお達しもありましたので。
以上、作者の某弟からのコメントでした」
シェリア 「ダイヤとクリスタル製だから、普通と思うけど」
ショウ 「……アルベルトに教わったのか?」
シェリア 「ええ。それくらいやってしかるべきだって言われたもの」
ショウ 「いたいけな公女様をこれ以上悪の道に引き込むな(半ば真面目に)」
アルベルト「嫌ですねえ。私はいつだって真面目ですよ。
それではカリン、その粗大ごみを片付けてくれませんか?」
カリン 「それは人道的にどうかと」
アルベルト「片付けてくれますよね(いい笑顔。背後にどす黒いオーラ)?」
カリン 「すみませんノボルさん。すみません(ぶつぶつ言いながらゴミ回収)」
諸羽 「結局、大沢って何があっても変わらないよね」
ショウ 「それがあいつのいい所なんだろう。…………多分(明後日の方角を見ながら)」
まりい 「あれ。昇くんは(ケーキ持ってきた)?」
ショウ 「出かけてくるって言ってた」
まりい 「そうなんだ。体、大丈夫なのかな」
ショウ 「新しい傷が増えてたけどな(まりいの肩を抱きながら。明後日の方角にそっと涙をぬぐう)」
昇 「俺は主人公……(流血ざた)」
2006年12月12日 某所にて