*異世界に飛ばされちゃった主人公に50の質問*
1...あなたのお名前は。
まりい   「椎名まりい です。みんなにはシーナって呼ばれてました」
2...あなたの現時点での年齢と異世界に飛ばされたときの年齢を教えてください。
まりい   「十四歳。中学三年生です」
3...何年その世界にいるつもりですか。
まりい   「どれくらいなんだろう? 地球では二週間近くだったけど」
4...その世界が好きですか。
まりい   「はじめは戸惑ったけど、今は大好き。もちろん地球も」
5...救世主になれましたか。
まりい   「『神の娘』と呼ばれるものになりました」
ショウ   「これからが大変だけどな」
まりい   「うん。でもがんばってみる」
6...かっこいい男の人(きれいなお姉さん)に助けられましたか。
まりい   「かっこいいかはわからないけど、ショウが見つけてくれたの」
ショウ   「はじめは驚いた。変わった格好して寝てるからな」
7...恋しちゃいましたか。
二人   『…………』
アルベルト「若いっていいですねえ」
8...正直、元の世界に帰りたくないとか。
まりい  「本当は少しだけ思った。でも、それじゃダメなんだよね」
ショウ  「(うなずいて)でも、もし戻ってきたら、今度は……」
まりい  「今度は?」
ショウ  「……なんでもない(そっぽ向いて)」
9...ここだけの話、彼(彼女)実はこんな人。
まりい  「大切な人」
ショウ  「…………」
シェリア 「何か言ってあげなさいよ」
ショウ  「別に(あさっての方角向きながら)」
シェリア 「よかったわね。顔真っ赤になってるわよ」
まりい  「え?」
10..魔法は使えますか。
まりい  「少しだけ」
ショウ  「今思えばこっち(空都)の住人だったから使えたんだな。じゃあ純粋な地球人ならどうなったんだろう?」
???「るせー! どーせオレは使えないよ!」
ショウ  「……今の声、誰だ?」
まりい  「?」
11..MPは残りどれくらいですか。
まりい  「精神力ってこと? どれくらいなんだろう」
ショウ   「人間なら大なり小なり持ってるらしいけどな。詳しいことはわからない」
12..100以上残っていたらここでひとつ披露してください。
まりい  「ええと。よくわからないのでごめんなさい」
13..味方にまで魔法の効果が及んでしまったみたいですが、どうしますか。
アルベルト「それでは私が代わりに――」
??? 「んなことアンタはせんでいい!」
まりい   「今、何か聞こえた?」
ショウ   「さあ」
14..解毒剤、持ってないの?
まりい  「お店には売ってあるみたい。いつもはショウが買ってきてくれるから」
ショウ  「自分でも一通りのことはやれるようになれって言っただろ」
まりい  「うん。だから特訓中です」
15..月に一度の女の子の日、どうやって対処してますか。
まりい   「…………」
アルベルト「いけませんねえ。女性にそんなことを聞いては失礼ですよ。そうですね。そのあたりは『乙女の秘密』ということで」
シェリア  「ですって(疲れたように)」
まりい   「……うん」
16..言葉は通じますか。
まりい   「うん」
17..16で「はい」と答えた方。どうして通じるんだと思いますか。
まりい  「今思うと、お父さんとお母さんが困らないように教えてくれたのかな」
18..16で「いいえ」と答えた方。がんばってください。
まりい  「じゃあ、純粋な地球人がここ(空都)に来たらどうなってたのかな」
??? 「ものすごく苦労してます。それはもう」
まりい  「??」
19..がんばってますか。
まりい  「うん。何にと聞かれたら困るけど」
20..まいったーっ!
まりい  「???」
21..王族と知り合いになれましたか。
まりい  「シェリアという友達ができました」
シェリア 「アタシもシーナって親友ができたの!」
22..実は恋しちゃったのは王様(王妃様)、王子様(王女様)です。
シェリア  「ああ見えて、実は彼って貴族の息子なのよね」
アルベルト「補足するならば、騎士だった彼の父親がやんごとなき素性の方だったんです。
       それがショウの母君と出会い、絶縁同然の形でレイノアに身を寄せたと。俗に言う駆け落ちですね」
シェリア  「いいなー。アタシもそんな大恋愛してみたい!」
アルベルト「その気になれば跡をつぐこともできます。もっとも、ショウ自身はそんな気などさらさらないようですけどね。むしろ忘れているのでは?」 
23..とっくに求婚されてたり?
アルベルト「どうなんです?」
ショウ   「ここはシーナが答える場所じゃないのか(顔赤くして)?」
アルベルト「では、どうなんです?」
まりい   「ええと……相棒です」 
24..遺伝学上ありえない目や髪の色をした人、いますか。
まりい  「天使って呼ばれる人が空色の髪に瞳をしてました。他にも藍色の髪とか地球には珍しい人がたくさんいます」
25..どうしたらその人を遺伝学的に正常な輪の中に戻してあげられると思いますか。
まりい  「どうしたらいいんだろう?」
26..抱いたら離せなくなる、とか、もっともな理由をつけられて(つけて)エッチは寸止めですか。
まりい  「どういうこと(大真面目に)?」
ショウ  「どういうことなんだろう(大真面目に)?」
??? 「そこ! 頼むからもうちょっと自覚してくれ! でないとオレが――(その後鈍い音と共に消える)」
ショウ   「さっきから変な声ばかりだな。ここ」
まりい   「うん」
27..実は自分から押し倒したりした?
??? 「お願いですからそーいう話題をあの二人にしないでください。聞いてるこっちがイタいんです(ずるずるずる)」
アルベルト「邪魔者はとっとと退散しましょうね(笑顔)」
28..なんで異世界にいるあなたと地球にいる私がこうして話したりできるんでしょうか。
まりい  「そういえばなんでだろう?」
29..あなたの周りにいる異性の美形率を内閣支持率と比較して答えてください。
まりい  「みんな普通だと思う」
シェリア 「ショウは?」
まりい  「カッコ悪いとは思わないけど。綺麗な人の基準ってよくわからないし」
30..あなたの服装は、自分がマンガ家だったら絶対絵にしたくないほど複雑ですか。
まりい  「キュロットに上着。髪は上の方で束ねてます。最後は方の上で切っちゃったけど」
ショウ  「あれは驚いた」
まりい  「おそろいになっちゃったね」
ショウ  「……まぁな」
31..服装に不満はありますか。
まりい   「一番初めはショウの服借りてたんだよね」
アルベルト「それはそれは。なかなか崇高な趣味をお持ちで(爽やかに)」
ショウ   「服がなかったんだ! 仕方ないだろ(顔真っ赤にして)!」
まりい   「服を借りるのがどうしていけないことなの?」
ショウ   「……っ」
アルベルト「いやあ。若いっていいですねえ」
32..味噌汁、飲みたくない?
まりい   「飲みたいです。家で作れるよう練習してます」
33..闇の帝王みたいな人、います?
アルベルト「さて。そんな方いたでしょうか?」
シェリア  「わが兄ながら末恐ろしいわね(汗)」
アルベルト「帝王かどうかはわかりませんが、世界のほぼ全てを知りえる方ならいるようですね」
34..いなくても、それに準ずる悪役、います?
まりい   「ステアとの決着が辛かったな。まだことは終わってないし」
ショウ   「結局、俺達は誰かの手の上で踊らされているのかもしれない。黄砂とももう少し話をしたかった」
まりい   「でも、悲しい結末を迎えないために私達がいるんだよね?」
ショウ   「そうだな」
アルベルト「そのあたりは第二部に期待するとしましょうか」
35..その悪役に恋したり、恋されちゃったりしました?
まりい  「大切な友達です」
ショウ  「俺にとっては恩人かな」
36..元の世界に帰るのはあきらめなよ。
まりい  「…………」
ショウ  「頼むからこいつにそんな話題はふらないでくれ。ただでさえ苦労したんだから」
37..てゆーか、異次元の星ってなんですか。
まりい  「世界は三つあって、それぞれに『神の娘』と『天使』と呼ばれるものがいるそうです」
38..地球にはいるけど、過去や未来にいるという方。どうやって光の速度を超えましたか。
まりい  「私が空都にいたときは、地球では眠ってました」
ショウ  「そう考えると、すごいよな。時砂の力を使ったのか?」
39..動物が言葉を話しますか。
まりい  「聞いたことはないです」
ショウ  「俺も聞いたことはない」
40..地球だったら確実に法に触れる生き物をペットにしたりしてますか。レッド・リストを参照に答えてください。
まりい  「前は黄砂(鳥)と一緒にいました」
ショウ   「…………」
アルベルト「『今考えると確信犯だったよな。ちくしょう。俺の彼女と始終べたべたいちゃいちゃしやがって』」
ショウ   「なっ!? !?」
アルベルト「あなたの心の中を代弁したまでです(にっこり)」
ショウ   「そんなこと思ってない!」
アルベルト「本当に?」
ショウ   「……少しは(ぼそっと)」
41..今、幸せ?
まりい  「はい(最高の笑みで)!」
42..41で「はい」と答えた方。だったら帰らなくていいのでは。
まりい   「地球でやるべきことがあるから(寂しそうに、でも凛々しく)」
ショウ   「……そうだな」
43..41で「いいえ」と答えた方。作者への文句をここにぶちまけることを許可します。
アルベルト「志は立派ですが、時には自分に素直になってもいいのでは?」
ショウ   「うるさい」
44..ファンタジーってなんですか。
まりい  「私にとってはもう一つの現実です」
45..地球じゃ絶対言えなかったけど、こうも特殊な状況が重なったもんだから、つい口をついた、というクサイ台詞があったら恥を忍んでもう一回言ってください。
まりい   「あったかな?」
ショウ   「……さあ(そっぽむいて)」
アルベルト「『そういうところ、私は好きだよ』ですか」
まりい   「あのっ、それはっ(顔真っ赤)!」
ショウ   「どうしてあんたがそれを知ってるんだ(それ以上に顔真っ赤)!」
アルベルト「とあるつてとだけ言っておきましょうか」
46..日本じゃお目にかからないだろう、と断言できる性格の人、いますか。
まりい   「アルベルトさん?」
ショウ   「勘違いするな。あれは空都でもまれだ」←何気にひどい
アルベルト「お褒めに預かり光栄です(にっこり)」
47..癒しキャラですか。
まりい   「そうなの(きょとんと)?」
ショウ   「オレに聞くな。……まあ、悪くはなかったな」
まりい   「え……」
48..ハムラビ法典の適用を許可されたら、誰を対象に選びますか。
まりい   「ハムラビ法典って?」
アルベルト「バビロニアの王ハムラビが発布した法典ですね。完全な形で残る最古の法典だとも言われています」
まりい   「そうなんだ」
アルベルト「『目には目よ』『歯には歯を』『平手には拳を』『十の痛みには千の鉄槌を』です」
まりい   「アルベルトさん、なんでも知ってるんですね」
アルベルト「お褒めに預かり光栄です」
49..その人、後ろに立ってますが。
??? 「違うから。それ絶対間違ってるから(再びゴンという音とともに撃沈)!」
まりい  「今、何か……」
アルベルト「近頃の虫はうるさいですねえ(手には壷が)」
50..五体満足なうちにこの質問の感想でもドウゾ。
まりい  「今までありがとうございました。弟の話もよろしくお願いします」
??? 「お願いします(ぼろぼろの姿で。by昇)」
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