EVER GREEN

後書きならぬ座談会その5

諸羽   「夏も終わりもうすぐ秋になろうとしています。え? これから夏になるだろって? そんなこと気にしちゃいけません」
シェリア 「誰に言ってるの?」
諸羽   「気にしない気にしない♪ 今日の座談会、司会はボク草薙諸羽(くさなぎもろは)が勤めさせてもらいます」
ショウ  「まさかまたここに来るとは思わなかったな」
まりい  「本当。よかったね(にこっと)」
ショウ  「……(ため息をつくべきなのか喜ぶべきなのか戸惑っている)」
セイル  「なんだかここだけ空気が熱いねー(わざとらしく服をあおぎながら)。ん? そういや主役は?」
諸羽   「あれ? ほんとどこいったんだろ」
アルベルト「実はこんなものを預かってきました(一枚の手紙を差し出して)」
諸羽   「ん? なになに――」

『旅に出ます。捜さないでください。   大沢昇』

一同   『…………』
セイル  「かわいそうに。よほどショックが大きかったんだね」
まりい  「私がいけなかったのかな。私が昇くんを傷つけたから……」
セイル  「じゃあ昇と付き合う?」
ショウ  「それとこれとは話が別だっ(急に立ち上がって)!」
シェリア 「なんだかんだ言ってショウだってシーナのこと好きなんじゃない」
ショウ  「……行くぞ。ノボル捜しに行くんだろ(顔赤くしてまりいの手を引っ張りながら)?」

ショウ、まりい部屋からいなくなる。

シェリア 「アタシも捜してくる。やっぱり心配だし」
シェーラ 「まったく。あいつはどこまで世話をやかせれば気が済むのだ」
セイル  「失恋の痛手はまだ直ってませんってことか。恋する少年も大変だね」

シェリア、シェーラ、セイルいなくなる。

諸羽   「じゃあボクも捜しに……師匠さん、何やってるの?」
アルベルト「主役をお呼びしようと思いまして。ほらいつまでそこにいるんです(テーブルの下を覗き込みながら)」
昇    「…………(テーブルの下から出てくる)」
諸羽   「キミ、もしかしてずっと前からここにいたの(ジト目で)?」
昇    「うるさいっ! オレは傷ついてんだ!」
アルベルト「やれるだけやったならいいじゃないですか。後悔はしてないんでしょう?」
昇    「わかってるけどショックなものはショックなんだ(すねたようにそっぽを向きながら)」
アルベルト「いいじゃないですか。男になれたことですし。そもそもあなたのためにどれだけ時間を費やしたと思ってるんです? 半年ですよ、半年(注意:「夏の日に」前、後編含む連載期間のこと)」
昇    「そりゃ、そーだけど」
アルベルト「そういうわけで恒例のものいきましょう(笑顔で)」
昇    「嫌だ! それが嫌だから隠れてたんだぞ(必死に抵抗)!」
アルベルト「半年かかったんです。半年。これぐらい我慢なさい!」

ガスッ!
昇、あっけなく倒れる。

諸羽   「恒例ってもしかしてこれのこと?」
アルベルト「そうです。先日作者がたくさんの方々から貴重なアドバイスをもらいましたので。これはほんの小手調べですね(笑顔で)」
諸羽   「血がついてるけど、それ(手に握られた灰皿を見ながら)」
アルベルト「あとで治しますから。ちなみにクリスタル製です。ダイヤのほうがよかったでしょうか」
諸羽   「どっちも痛そうだけど。術ってなんでも治せるの?」
アルベルト「そんなわけないでしょう? そうすんなりいけば誰も苦労しません」
諸羽   「…………。(咳払いをして)次回は学校が舞台? 話もようやく後半にさしかかります。またねー」

昇    「……もう嫌だ、こんな日常」

2004年5月14日 某所にて

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