EVER GREEN

後書きならぬ座談会その2

シェーラ   「これは一体何だ?」
シェリア   「あ、この前のノボルと同じ反応」
昇      「オレ、そんなこと言ってた?」
アルベルト 「しっかり言ってましたよ」
昇      「覚えてない。っつーか、途中からの記憶がない」
アルベルト 「人間、知らない方がいいことだってありますからね」
昇      「そう言われると無性に気になるんですけど」
シェリア   「さあさあ。長くなるといけないからちゃっちゃっといきましょ」
昇      「流されているよーな気がするのはオレだけ?」
シェーラ   「……よくわからないが、ここでは深く物事を考えない方が良いのだな?」
シェリア   「そういうこと」
アルベルト 「では気を取り直して。今回のタイトル、『わがままお嬢のお守り役』について、どう思われます?」
シェリア   「『お嬢』って、アタシじゃなかったのよね。アタシは公女だもの」
シェーラ   「それはもしかして、わたくしのことか?」
昇      「他に誰がいるんだよ」
シェーラ   「わたくしは女性ではない!」
昇      「女の格好して登場してきた奴に言われたくないよなー」
シェーラ   「! あれは……」
昇      「悔しかったら言い訳の一つでもしてみろよ」
シェーラ   「……(無言で剣を抜く)」
昇      「げっ! お前、凶器なんて反則だぞ!」
シェーラ   「貴様が悪い。一瞬で終わらせるからじっとしていろ」
昇      「できるか!」

昇、シェーラに追いかけられながら、いなくなる。

シェリア   「(その様子を見ながら)ノボルって、段々性格悪くなってきてない?」
アルベルト 「誰がそんな風にさせたんでしょうねぇ」

 遠くから『お前らのせいだ!』という声が聞こえるも、あえて無視する二人。

アルベルト 「お守りと言えば、あの暗殺者も気になるところですね」
シェリア   「暗殺者って、ノボルとシェーラが襲われたっていう?」
アルベルト 「シェーラの所在も含め、後々追求していかなければなりませんね」
シェリア   「そうね。あら、もうそろそろ時間じゃない?」
アルベルト 「そうですね。ではお開きにしますか」
シェリア   「でもあの二人戻ってきてないわよ?」
アルベルト 「簡単ですよ。こうすればいいんです」

ブンッ!

アルベルト、近くにあったテーブルをつかみ投げつける。
遠くで「ゴンッ!」という音がして誰かが倒れる。

アルベルト 「こうなりたくなかったら、そこに倒れている人を連れてきてください」

 シェーラ、やや青ざめながら倒れている人を引きずってくる(合掌)。

シェリア   「アルベルトって見かけによらず怪力よねー」
アルベルト 「日ごろの鍛錬のたまものです。では第三章をお楽しみに」
シェリア   「今度はノボルのお姉さんも登場する予定なの。舞台はまだ秘密。じゃ、まったねー」
シェーラ   「(昇を床に放りだしたまま)そう言えば、ここは一体どこなのだ?」

シェリア   「あ、それもノボルと同じ反応」

2003年 7月11日(金) 某所にて

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