矢崎真名さんからいただきました。

雪のやむ頃に

 雪のやむ頃に  雪がふる。音もなくふって、ふりつもる。今年は大雪だと、ニュースが報じていた。
 雪はふる。僕の気持ちを表すように 僕の悲しみは、この雪のようにふりつもっていって 押しつぶされていくのではないかと思うほど
 もう 涙もでない
 彼女を喪って
 僕は何を見ても楽しくないし 何も感じない
『このままでいいの?』 僕の中の、もう一人の僕が 僕自身に問いかける   どうなんだろう。どう、考えていいのかさえ、分からない。友人の励ましが いたい 
 それから月日は流れていく 今だ僕の心は凍りついたまま、動かない ふと、彼女の言っていた言葉が蘇る 『雪が解けたら、春になるんだよ!まぁ、受け売りなんだけどね。』そういった彼女の、はにかんだ笑みが 今も瞳の奥に焼きついている・・・・・・
 けれど 雪はいつまでもふりつもっている訳じゃない 雪はいつかすべてとけてしまって、 水になり、海へと向かう とけない雪などない
 それと同じように この想いも いつかは なくなってしまうんだろうか?
  だけど僕は この気持ちをなくしたくない 忘れたくないんだ!! そのことが恐い
  彼女の存在をなかったことにして 温かな世界に戻って笑うことなど 僕にはできない! 世界は何故 彼女の存在を どんどん消そうとしているんだ! 僕はずっと彼女のいた世界に浸っていたいんだ! 世界が僕をおいていっても、僕は知らない。このままでいい
  でも・・・・・・・・・・・・ いつかはこの悲しみも、この想いも 温かな日溜まりの中に包まれる 日がくるのだろうか? いつか、悲しいけれど、優しい記憶としてふり返ることができる そんな日がくるのだろうか?   今はまだ そうなっていく自分を認められそうにないけど・・・ そんな日がくるのだろうか?
  僕は 小さな光を結うたような気がした


おわり

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